先日来られた私のオーディオの師匠との会話の中で上記のタイトルについて話題が上がった。
オーディオコミュでは集計を取ったわけではないが余りコンサートやライブに行く人は多い様には感じられない。
昔からオーディオマニアはそれほど生演奏には行かないとその師匠も話されていた。自宅のシステムに没頭し音楽演奏をわざわざ聴きに行く暇も無いらしい。
ただ少数ではあるが熱心にコンサートなど行き自身のシステムの調整?に役立てている方も存在する。
師匠もオーディオ機器に凝っていたが生演奏は時々しか行かなかったようだ ある時を境に生の圧倒的な訴求力は家庭用オーディオ装置、場所では再現不可能と判断しオーディオ熱が冷めてしまったようである。若い時から楽器演奏も細々?ながら並行して行っていたので自分が演じる方にベクトル、興味が行き今に至るという事らしい。
生演奏を聴いてもそれはオーディオ再生とは別のものと割り切って考えている人も多数いる。むしろそういう人の方が多いのかもしれない。
あくまでも自宅で聴くのは自分が楽しければそれで良し、ソフトの音源がイマイチでも装置や環境を変える事により聴きやすく自分の好みの音にしていく それがオーディオの趣味だよ という考えなのだろう。
自分がオーディオを始めた時 皆 何を基準に音出ししているのだろうと?と疑問であった。最近はSNSの発達でオフ会など行いやすくなってきている そのオフ会などで聴いた音を自分の好みの音と比べて咀嚼しながら自身の好きな音を構築していくのか 生演奏で聴いた音で感動した余韻も含めてそれに似た感じに再現できるよう構築していくのか その基準になるものがかなり違っていると そもそもオーディオの音の批評・評論などし難いのでは とも思ってしまう。
オーディオの師匠がキタサンに興味をもったのは昔 生演奏(ジャズ)を色々聴いていながら その音を再現させようと思わないオーディオスタイルを取っている事と自身とキタサンの音に対する好みが似ている事だと話されていた。
考えてみると生演奏の音など自宅で再現しようとも思った事はないしマクリーンのアルトやフラナガンのピアノの音など直に聴いた音は一期一会でオーディオの音と比べて どうだこうだと考えた事も無い。オーディオの音と生の音は別物と考えること自体オーディオマニアの発想で自分には正直関係ないと思っている。
自分はジャズが好きで家のオーディオで聴いているのはジャズと言う「音楽」であり本物のジャズではない。言い方は悪いが偽物のジャズを再現するのに御大層な装置はそれほど必要はないし ましてや専用部屋などもってのほか! でもジャズと言う「音楽」を聴くには専用部屋はあった方がいいかな~(^_^;)…とそこまで突っ込んだ意見は師匠には話さなかった あくまでも持論で間違えているかもしれないし 戯言なのかもしれない…。
ガラス越しに見えない骨董品を眺めるのと それを直に触ってみるのとどちらが良いのか? それが自分にとって好きな物、欲しい物なら大半の方は直に触ってみたいと思うはず。
しかし それが偽物とわかれば あえて触ってまで見ないような気もする。世の中偽物かどうか分からないものだらけ…無理して真実を知らない方がよい場合もあるかもしれない。
このアルバムは有名なマイファニー・バレンタインと対になるアルバム。マイファニー・バレンタインが静ならこちらのフォァ&モアは動という感じであろうか。
上記写真はモノラルのオリジナルだがステレオオリジナルも存在する、各国で再発もあるしアナログではなくCDでも何度も再発されている。
他人宅でもこのオリジナルの他 ステレオオリジナル、再発、CD等持参し 大型システムで聴かせてもらった事があるが音の迫力等はCDが一番あったような気がした。
自分の所は小さなスピーカーを使ってそもそも迫力といわれても何ともおぼつかない状態だが(^_^;) そう言う中でもCDがやはり力強く当時の5人のほとばしる熱気のようなものを感じ取られた。ただし誇張されない自然さはモノラルのオリジナルが一番シックリくるように思える。
音を弄って自分好みにするのも良いが出来れば元の音を知った上で好きに作り替えても遅くないと思っている…余りにも安易に音作りをし作品を作り上げた演奏者並びに関係する人達を軽視しているように思えて他ならない。(※音を弄っているオーディオマニアでも作品自体をリスペクトして聴いている人も もちろんいますのであしからず)