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ふたりの異邦人

学生時代に見た芸能人で綺麗だなと思った人が二人いる。一人は故人だが夏目雅子さん もう一人は歌手の久保田早紀さんである。

異邦人で一世を風靡した久保田さんだがその後何枚かアルバムを出し清く芸能界を引退した その久保田早紀さんが38年振りに一夜限りの「異邦人」を当時のアレンジのまま披露したのが2017年クリスマスの事であった。そして今回「異邦人」発売40周年の節目として自伝ともいえる一冊の本を上梓された。
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「ふたりの異邦人」久保田早紀*久米小百合 自伝

久保田早紀は芸名で本名は小百合 そして結婚されて久米小百合となった。
久保田さんが引退 結婚されその後キリスト教の伝道者になった事は何かの本を読んで知っていた テレビでも確か放映されていたように思う まだキタサンの所にテレビがあったころだから2000年に入ったあたりだろうか? 売れっ子歌手でテレビをつけると彼女が異邦人を歌っている姿は1980年当時よく見ており何故キリスト教の伝道者になったのかそのギャップに少し驚いた記憶がある。

今はどうか知らないが昔は芸能界に入るには(歌手になる)にはそれなりの下積み生活が必要であった。学生であった久保田さんはそういう下積み生活はなく運が運を呼び芸能界デビュー その第一弾である「異邦人」が大手電化メーカーのCM曲に採用されその曲もヒットチャートを順調に伸ばし一位まで上り詰めていく。そうなると周り(マスコミ)が放っておかない ラジオ番組のアシスタントそしてパーソナリティ さらには続編のアルバム制作 コンサートツアーなど 彼女の言葉を借りると当時中央線沿線で各駅停車で通っていたのが(彼女は八王子出身)いきなり特急列車に代わり見知らぬ土地に旅立つ そういう感覚に陥ったことは想像に難くない。

学生時代から音楽は多少かじっていたが趣味程度で弾き語りも歌もそれほど自信がない 短大時代は音楽でなく文芸関係のサークルに属していた普通の女の子がいつもテレビで見ていた錚々たる歌手や芸能人と一緒のスタジオでテレビに出る コンサートなんて子供のころピアノの発表会で大勢の前で披露したぐらいで不特定多数の人が集う大きなホールでなんて弾き語りはできない そういうジェットコースターのような日々に疲れていた それを何とかこなしていたのは久保田小百合ではなく「久保田早紀」という別の人格を作り何とかしのいでいたのだと回想する。

そこで久保田早紀を演じる自分 久保田小百合の原点を探すことになる。子供のころよく聞いていた教会の賛美歌に故郷を求め21歳のころ洗礼を受けた ちょうどその頃のちの旦那になる久米大作氏に出会う この久米大作さんはフュージョンバンド「スクエア」の初代キーボードをしていたらしい スクエアといえば伊東たけしや安藤まさひろを中心とした日本のフュージョンの先駆け的な存在でのちにT-SQUAREと変わった  それと久米さんの親父さんがあの声優であり俳優でもある久米明さんでもある。

久米さんと結婚後芸能界は引退したが歌そのものは継続していた 同時に神学校に入りキリスト教の歴史のみならず他の宗教の歴史等も勉強しておられたようである。
その熱心さ?も影響してか無宗教であったご主人の久米さんものちに洗礼を受ける事になる。宗教と言うと勧誘、布教活動に熱心な信者も多いが久保田さん自身 音楽を通して「愛」を伝えるその延長上にキリスト教があった そのようなスタンスでこれまで来られたことが著書(自伝)の中で読み解ける。

還暦を迎えた久保田さんだがその容姿は以前にも増して落ち着き柔和になった印象を受ける ヒットした「異邦人」の歌詞は中央線沿線からみる夕暮れの車両の中で空き地で遊んでいた子供たちの姿を見て書いたようだが曲に関して久保田さんの父親がソニーのイラン出張所に転勤されその情景を聞いていたことも関係するのかと何となく思ってしまった。
「音楽と人が結ぶ不思議な点と線、人生も五線譜みたいなものなのかもしれない。…」このような素敵な言葉を著書の中で述べられている。慣れない楽譜で五線譜とにらめっこしながら悪戦苦闘をしているキタサン…こんな素敵な言葉さえ浮かんで来ない 育ちの違いかな(;´・ω・)

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何故か2枚も同じアルバムを持っている(笑) 著書の中で子供時代の写真も掲載されていたが子供の頃から美しかったんですね~

by kurama66644 | 2019-02-23 08:41 | 歌謡曲 | Comments(0)