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ジャズ喫茶の徒花

キタサンがジャズ喫茶に通っていたのが80年代からなので生粋のジャズ喫茶通いの団塊の世代からは若干遅めのスタートになる。
そもそもジャズに興味が無く歌謡曲の方が好みであったのがベースをやっていた友人から誘われジャズの味を知ることになる。最初は誘われてもいやいや付き合っていたが自分から行くようになったのが80年代終り頃でジャズ喫茶もだいぶ廃れた頃であった。

この頃はもうジャズ喫茶なんて流行っていなくジャズもひと昔のジャズではなくなっていた。今更ジャズ喫茶なんて商売としてもやっていけないのは明白な時であった それでもジャズ喫茶は時々通っていたがそれより生演奏のライブの方が面白かった。そうまだモダンジャズを築いた国内外の巨匠達が生きていたからそちらの方に行くことが多かったのである。

2000年を過ぎた頃 ジャズ喫茶は益々減っていた…モダンジャズの基礎を築いた人達も鬼籍に入り自分も演奏を聴きに行く機会も減ってきた そういう中2007年 新百合ヶ丘に近い場所でジャズ喫茶「LOST AND FOUND 」がオープンした。店主が女性ということも話題になった キタサンが気になったのはこの店名で いわゆる空港や駅にある忘れ物預かり所なる意味でもあるが 好きなテナーサックス奏者のクリフォード・ジョーダンもこれと同じタイトルの曲を作っている事と この女性店主が「忘れかけた物事を思い起こしてみませんか?」という思いで好きなオーディオとジャズを聴くお店を脱サラ?してまで作ったという意気に感ずるところが見えたからである。

ジャズ喫茶は長く通っていたとはいえオーディオの事は相変わらず疎く ようやくこの頃から自宅にオーディオ機器が揃うようになった。自宅からは結構遠いところであったがオープンしてからようやく1年後位にお伺いしたが最寄りの駅から歩いて20~30分ぐらいあり交通の便でも不便な場所にあった。これは家賃の問題もあり経費を抑えているので仕方がないとも思いつつ ようやく着いて中に入ると大きなホーンスピーカーがあり機材は詳しくわからないが(結構高額機器類だと思う)カリモクの黒い椅子が印象的でジャズ喫茶に似合わない?とても座り心地が良かったのを覚えている。珈琲にチョコレートがついてきたのも普通のジャズ喫茶にはないサービスで色々考えているのだろうなぁと素直な感想。ただし交通の便が悪い事や珈琲の値段もそれほど高くなかったようなので採算割れするのでは?とちょっと不安になった…。 二人ぐらい先客がおり一人は女性店主と軽く話していた もう一人は目をつむりじっくりジャズを聴いていたようだ。キタサンも余り店内をジロジロみるのも悪いと思い かかっている曲を黙って聴いていた。実はその時かかっていた曲というかアルバムは聴いたことがないようなものばかりで この女性店主 かなりマニアックな人で収集家なのかとも思ったが気軽に話しかけられる雰囲気でもなかったのでその辺りの事は聞かず1時間ぐらい滞在し帰りはバスで駅まで行った。

その後このジャズ喫茶には一度も行っていないがインターネット上でこの喫茶店の悪口が結構聞かれるようになった。おそらく叩くのは古株のジャズファンやジャズ喫茶ファンないしは関係者、オーディオ関係者ではないのかと想像する。女性店主も独自のオーディオに対する考え、ジャズに対する思いがあるのだろうが周りがあーでもないこーでもないと要らぬお節介をやく それに対してスルーすればよいのに女性店主も反論する そうして今でいう炎上という構図になっていたような気がする。 オーディオの事はその当時全然分からなかったので(今でも対して分からないが)そのジャズ喫茶の音が良いのか悪いのかも判断出来なかったがとても居心地が良かったのは確かであった かかっていた曲は決してBGM的なノリのものではなくハードっぽいのもあり個人的には好みでもあった。 それから3年後閉店のお知らせをお店のホームページで見た。せっかく好きなジャズとオーディオに囲まれ商売できたのに第三者が色々と意見(難癖も含まれる)を言って苦悩する日が続いていたのだろう 今はおそらく個人的な趣味として平穏に過ごされていると思う 徒花ではなく季節の美しい花に囲まれながら…。

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本文のジャズ喫茶とは何の関係もないジョージ・セルのチャイコフスキー クリーヴランド管弦楽団による演奏である。この演奏の雲行き感が何となくジャズ喫茶「LOST AND FOUND 」に初めて行った日に近かったので久しぶりに聴いてみたのだが やはり重苦しかった(;'∀')
 
by kurama66644 | 2018-05-04 09:30 | ジャズ | Comments(1)
Commented at 2018-10-15 00:47 x
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