蠱惑的(こわくてき)なオーディオ
オーディオ機器に対して愛着が持てるなど使っていて感じる事はあるが導入したソナス・ファベール エレクタ・アマトールとユニゾンリサーチ シンプリーフォーの組み合わせはそれほど蠱惑的なのである。
オーディオがある部屋は普通の洋間だがこのスピーカーとアンプで雰囲気はかなり変わる。音を聴く前にその特徴的な外観からなにやら怪しい?気配が感じられる。
所有しているQUAD405パワーアンプの意匠も日本にはない独特なもので そこから発する音は力強く品位が感じられたがエレクタ・アマトールは音楽を発信したい熱望のようなものが感じられる。きめ細やかな正確な音では決してない どちらかとルーズで大らかである そのある種いい加減さが心のゆとりをもたらす。
専用台は大理石と天然木材そして天板が鉄製と3種の違う素材を使っている、更に天板の鉄の4隅にゴムを配置 明らかにアマトールより小さな面積の天板に乗せるだけ これで地震でも来たらひとたまりもない(笑) イタリアも地震国なのに大丈夫なのだろうか?
今では手に入らないブラジリアンウッドのハカランダ材は叩くと硬質な音がする。Minimaも天然木材を使っているが響きが明らかに違う Minimaのほうがギューッと固めた感じがしエンクロージャー自体の鳴きを抑えているように感じられる それに対してアマトールは硬質でありながらあえて鳴かすようにしているようだ。
アマトールで聴くボーカルや弦は何ものにも代え難いとの批評を読んだ記憶があるが実際聴くまでは多少大げさに書いたものかと思っていた。そうしてアマトールでボーカルや弦を聴き、更にアンプをユニゾンリサーチの真空管アンプに替えると…批評は決して大げさではなかったと感じてしまったのである 参りました。
最近のジャズは余り聴かないがこのシステムから奏でるこちらの歌手 ヘイリー・ロレンの歌声はまさに蠱惑的である