モノラル再生の挫折
好きなジャズの元の音を知りたい! そうなるとCDでは所詮再発 50、60年代はCDではなくレコード更にその前はLPではなくSP、蓄音機の世界 その元の音を知るため当時のオリジナル盤を探っていった。 どれがオリジナルなのかネットも含めてマニアの方から教えてもらい自分でも勉強?した 当時のカッティングマシンが当然モノラル用で溝の深さも違う、針の太さもモノラルでは違ってくる、針圧も違う 現在のステレオアナログ再生とは違ってくる。
モノラルのオリジナル盤も色々買った、当時のモノラル専用太い針も買った、50年代~60年代のプレーヤーも買った。
そこで再生するモノラル音源はステレオ再生とは違う深いものがあった。しかし自分に出来るのはここまでであった…
ベストは当時の機器類で再生するのが良いとの意見も多い その通りだと思う。スピーカーもモノラル時代のハーツフィールドやらクリプシュホーンなどあり プレーヤーだけではなくフォノイコライザー等も重要である。アームもSMEの当時のアームは揃えたがモノラルではやや軽量級か? そしてなによりも部屋にそんな当時の馬鹿でかいスピーカーが置けるのか? オリジナル特にモノラルの現在の馬鹿げた高価な盤を買い続ける事が出来るのか? そういう事が出来るのはおそらく一部の人だけだろう。
今回アマトールを買ったのもそしてその前にMinima、QUADのアンプ類を買ったのもいったんは捨てたCDをもう一度再生するようになったのも自分のオーディオの指針が自然とそうさせたのだと思う。
オーディオ自体幻想の音として捉えると今の自分のモノラル再生はとても中途半端 それよりもごく普通の生活している部屋でアマトールやユニゾンリサーチの真空管アンプを使いCDやアナログのステレオ再生するほうがとてもシックリくる。オリジナルの音はとても魅力的だが今ではあまりにも高級品となってしまった。オーディオのビンテージ品も人気の為かそのものの価値が本当にあるのかないのか分からないまま高額化してしまっている。
ビンテージ化までいっていないQUADの昔の製品など品位はありながらまだまだ庶民的である。アマトールはそこそこの価格であったが所有する初代Minimaの状態の良い物は15万で京都の方から譲り受けた。2008年に復刻したMinimaビンテージは50万ぐらいの価格に跳ね上がっていた 驚きというよりはあきれ返ってしまった。性能はアップしたようだが初代Minimaを作ったフランコ・セルブリンの魂は復刻版には感じられない。
アナログプレーヤー2台をステレオ、モノラル再生用と分けていたが今は両方ともステレオ針を付けている。トーレンスには先日も書いたがMC20MKⅡの低出力のMC針、ケンウッドのプレーヤーには廉価品のシュアーM44-7のMM針 中々良い感じで鳴っている。
元の音を知りたいとオリジナルを探っていったが本当の元の音は盤だけでは再現できない。オリジナルを知って不完全だがその凄さやニュアンスの一部は感じる事は出来たと思うし知らない世界を体験でき 自分なりに満足がいってよかった 80~90年代に国内外のジャズの巨匠達の音楽を生で聴く機会が沢山ありその音楽は自分の中には生きている オーディオに出会わなければ実際に聴いてきたその音楽を思い起こす事は少なかったであろう 感謝である。
集めてきたモノラルオリジナルは一部を除いて売却しようと思っている。