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オリジナルと私

ここで言うオリジナルとはレコード特にジャズのオリジナル盤 年代的には50~60年、70年代に発売された物の事を言う。80年代になるとCDという新しいメディアも出てすでにデジタルの時代になった。複製が可能となり初期と再発盤とではさほど変わらなくなったようだ(実際は違いはあるのだが…)

オリジナルに目覚めたのはここ4年ぐらいの事でアナログに回帰してからすぐの頃である。理由は簡単 元の音を知りたかったからである。
元の音というのは原音や生の音のことではない 最初に市販化された(録音物)の事である 業界関係に伝のある人はよくマスターテープを聴いたとか それこそ本当の最初だと話す人はいる しかしそんなものは一般人は手にする事は出来ない単なる自慢に過ぎないので はなから考えていない。あくまでも市販化された普通の製品の最初のものである。

50~60年代のジャズオリジナル盤で最初に手にしたのはこの有名盤である。
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ディブ・ブルーベック「time out」コロンビア モノラル盤である。この頃は本当の?オリジナルの区別もよく分からなく業者やオークションで「オリジナル」と表記されていたものを本物と信じていたが色々購入していくうちに結構 偽物も多くそれが意図的なのかあるいは本人も分からなく出品、出展している場合もあることが分かってきた。

購入した第一印象はまず「高価」である これにつきる!(笑) 考えてみると長年CDを集めていて近年は新品でも1000円をきる廉価盤が出回り いっきに大人買いをしてほくそ笑んでいた折  1枚で云千円いや云万円… 桁が違うのではと本気で思った しかも中古でジャケットともども劣化しているのに間違いでは?そんな思いで購入した「time out」 通販で専門業者から購入したのだが確か1万ちょっとぐらいの価格だと思った。

そしてジャケットを見ると角がつぶれ圧着されたボール紙も剥がれている箇所もあった 表紙も所々色あせている… そりゃーそうだろう半世紀は経っている物だから 押入れに長年しまい込んでいたような湿った独特の紙のにおいが年数経過を表わしている。
それでも外観より中身であると思い聴いてみる この時は確かまだモノラル針が無かった時でDL-103かSPUの復刻版のステレオ針で聴いたような記憶がある。
スピーカーは現代機種のモニターオーディオPL-100であった プチパチノイズが多いが何となく凄そうな感じがした…しかしながらCDで聴くほうが歯切れがよい明確なサウンドのようで このオリジナルは何となくモコモコした音のようであった。 大枚を叩いたのにいまひとつの印象のモノラルオリジナル 価格面からコストパフォーマンスは悪い それならば現物を見て価格ももっと安い良品もあるだろうと店頭で探す事にした。

結果 安い物はあることはあるが見た目もくたびれている物が多く 自分の求めている物は手が出ない…オーディオと同じでオリジナル集めは所詮 金持ちの趣味かと落胆はしたがオリジナルそのものの見分け方はレーベルによって色々違うし何よりもまだモノラル針も手にしていない それらの知識を得てからじっくり探していこうと決意 そもそもオリジナル集めが目的ではなく冒頭でも話した元の音を知りたくオリジナルを手にする、聴いてみたかったので適当なところで切り上げようと考えていたのだが現在も相変わらずオリジナル探しは続いている(※買う買わないは別として)

探す際 オリジナルもそうだが聞き比べもしたく再発盤、日本盤(これも再発)、モノラル、ステレオ盤など同じ物を何枚も買うことになる…それで聞き比べする事が出来た。CDは以前 たいていのものは持っていたのでオリジナル、再発だけでなくアナログとデジタルの聞き比べも可能であった。所有しているオーディオ機器はマニアのそれに比べると安価で貧相な物であるがこの音源の差は意外と大きいと感じる どれが良くてどれが悪いかというのは個人的な感想にもなってしまうがアナログの場合個体差は大きいように感じる それに対してデジタルは個体差は少ない。オリジナルよりデジタルの方が聴きやすいものもあったり これはオリジナルでしか出ない音が入っているなど物により感じ方は違う。自分の場合 再生する音楽のジャンル、時代が結構限定的なのでメディア媒体と機器類の選択は意外と容易な気がする それに対してオールジャンル聴く人、あるいは音楽であれば何でも好きという方は機器類とメディアが時代により違ってくるので再生の解は限りなくあり相当難しいだろうなぁと思う 真剣に聴こうとすればするほど深みに嵌る。それならばいっそうの事BGM程度にして小規模の機器類で軽く聴くのがベターなような気もする。

3年ぐらいオリジナル中心にソフトを購入し聴き比べをしたが お金が続かず断念した。元の音を聴く当初の目的は全てではないが達成できたしソフトの違いは相当大きいと感じる。上流の川が汚れていると下流の川も影響がある 途中でろ過したり加工しても結局それは別の物になってしまう 今オーディオマニアの人たちは別の物の価値観の良否を吟味しているように思う。そしてその別の物が元のものより良いと感じる場合もあり何が本当か分からなくなっているのかもしれない。

オリジナル購入を断念して1年以上経つが それでも時々思い出したように買うことがある(汗) ※結局断念していない…
おそらくもっと便利になり安価で高音質なソフト 再生技術が出来てもキタサンはそちらの方に行かないような気がする。
何故か分からないが勘である 根拠はない。年末最終日のユニオンのセールでつわものたちが終結する この記事を書いていて再び行きたい衝動に駆られたが先行く物が無い!残念(笑)


by kurama66644 | 2017-12-23 11:46 | ジャズ | Comments(5)
Commented at 2017-12-23 19:18 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kurama66644 at 2017-12-24 09:58
> sunouchi0918さん こんにちは。

オリジナルに入るきっかけは様々なんですね この道に入ってしまった事を少し後悔しつつ色々な発見が出来てよかったと思います。

ただしオーディオもそうなんですがこのオリジナル収集? ある程度余裕のある方でないと難しいような気もしています。所有する事で色々な確執も生まれてもきますし…。

アナログをやるようになり凄い音は出ませんがいつまでも聴いていたい音、音楽が鳴るようになってきたので良かったような気もします。

私の周りの人のようにより良い音へという向上心のようなものは既にないので あとはのんびり聴くだけかな~(笑)

あと一週間ありますが今年1年色々お世話になりました。そして貴重なコメントの数々ありがとうございました。
Commented by kurama66644 at 2017-12-24 21:21
> sunouchi0918さん キタサンブラック勝ちましたね(笑)
Commented by hidyh3 at 2017-12-30 15:56
こんにちは。

本でいえば「初版本」ということですね。

わたしの書棚には、おそらく相当数の初版本があるのですが、音楽と同様に内容にしか興味がないので、カバーや帯、あるいは箱などすべて剥ぎ取って捨ててしまっているので売り物にはなりません。

妻からは「?」といわれますが、性分のようで治りません。・・・これもまた、人生でしょうか。

よいお年をお迎えください。
Commented by kurama66644 at 2017-12-30 17:59
> hidyh3さん こんばんは。

私も本は好きでよく読むのですが 本に於ける初版本にはそれほど興味を持ちません…

レコードは内容もさることながら オリジナルにはパッケージと音に独自のものがあるような気がします。 自分は音がいいからオリジナルを買うという感覚ではありませんし 希少価値だから買うというわけでもありません。 時代の音楽を聴きたいからでしょうか… そのあたりは又 別の機会に日記にするつもりです。

年内は貴重なコメントを色々頂き ありがとうございました。
hidyh3さんのブログは難しい内容のものもあり 教養の無い自分には分からない部分もありますが妙に納得のいく内容もありました。たぶん分からないなりに自分の肌感覚がそう思っているのだと思います。 よいお年をお迎え下さい。