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どこが重要か?

半年に1度の割合でキタサン宅にオーディオの師匠(Iさん)が遊びに来られる。以前勤めていた会社の同僚だが会社が無くなってからも親交が続いている もっともオーディオを鑑賞するというよりか世間話や音楽の話が大半で時々オーディオの話をするぐらいである。というのもIさんは今はオーディオを趣味としていなく演奏の方を中心に活動されている 
Iさんは若い時からのかなりのオーディオマニアでその知識もかなり深い おかげでキタサンがオーディオを始めて四苦八苦していた当初かなり的確なアドバイスをしてもらい大いに助けられた。 そういうマニアの方がなぜオーディオを止めたかというと実際のコンサートやライブに行き そこでの音、音楽はオーディオでは再現出来ないと半ば諦め 色々投資してきた事に疑問が生じたと話されていた。もちろん原音絶対 生音でないと駄目というような原理主義者ではないがある種 俯瞰してオーディオと当時の自分の関係を見つめ直しての事のようだ。投資してきたお金の問題もあったらしいがキタサンのオーディオを見て何か懐かしいらしく音や音楽を聴き素直な感想を述べてくれる。

いつものように世間話をしている中 オーディオでよく話題にのぼる事柄を質問してみた。 「オーディオでどこの箇所が重要だと思いますか?」
かなり大雑把な質問で返答に困っていたようなので こちらの方から「どの部分を重要視してオーディオを行っていましたか」という質問に変えた。
機器であれば上流部分のプレーヤー、アンプ、そしてスピーカー そして機器ではなく昨今注目を浴びている?部屋環境なのかはたまた電源なのか 上流部分の元音源なのか?と聞いてみた。

そうするとIさんは しいて言うならプレーヤーでプレーヤーもアナログならアームやカートリッジ、ターンテーブルなど構成する全部が絡み合って反応するのでその全てが重要と答えてくれた。CDプレーヤーもアナログに比べると変化する要因の変数は少ないがそれでも一応プレーヤーなので(笑)重要かなとも話してくれた。

実はキタサンは「スピーカー」と答えるのではないかと予想していたが外れた。
これまでの付き合いの中で結構スピーカーの指摘が多く 実際色々なスピーカーを試されていたからである。そういえばトーレンスTD521を使っていた時に同時並行して使用していたケンウッドのプレーヤーやヤマハのプレーヤーを興味深く見ていたなぁ… 本体構造やらアームの事もやたら詳しかったので色々研究していたのかもしれない そしてプレーヤー自体が好きなのであろう そうどこが重要というよりか好きという事が重要なのかもしれない(笑)

アクセサリーの事は以前から余り話してくれなかったが電源ケーブルやSPケーブルなど色々試した時期があったようだ。結論から言うと「ケーブルで音は確かに変わる」だが変わるという感覚は人により捉えかたが様々なので全体からすると微々たるもので気にしなかったそうだ。

オーディオを止めてから音楽を本当に楽しく聴けるようになったと話していた。夢中になっていた時は音像やら定位など気にし同時に再生する機械の調整も行い「音楽ではなく音に集中し本末転倒だったよ」と笑っていた。

このIさんとはオーディオ再生に関して当初かなりの共通点がありシャープで切れの良い音が好きである事、広がりのある音が好きである事など好みが近かった。しかしここ3年ぐらい昔の音源に興味を持ち ややヴィンテージ寄りに移行しつつあるキタサンとでは好みも違ってきたようにも感じた。それがモノラル音源の再生である Iさん自身モノラル音源の再生は手がけておらずステレオ再生1本で行ってきたのでキタサン宅で再生するモノラル針によるモノラル再生にはかなり違和感を覚えているようだ。キタサン的にはMnimaの小さなスピーカーとはいえ力強く音の塊が出て好印象なのだが 曰く「音場が狭くこじんまりとした展開、音がキツメ」という厳しい意見をもらった。でもジャズ再生は最低限これぐらいでないと生気が無いし特にモノラル再生は元々音場の広がりはステレオと比べて狭い 師匠とはいえ捉えかたは人それぞれなんだと改めて思った。

昔 オーディオ再生はモノラルに始まりモノラルで終わるとベテランの方から言われた事がある。今自分の所有するレコードは1/3がモノラルレコードであるが自分的には今ひとつの再生かと思っている。それはやはりモノラル再生した当時の機器類でないからなのか自分の再生技術が未熟なのか理由は分からない おそらくその両方なのだろう…音源とプレーヤーは当時の物ないしはそれに近い物を使っているが ジャズという音楽を聴いている分にはまぁ良いんですがね(笑)

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昔このアルバムはCDで所有していた。カーメンの2枚組のアルバム ユニオンで2000円で売っていたので思わず買ってしまった 70年代のもので盤質はBだがかなり状態は良い方だと思う、
アメリカの偉大な作曲者達の曲を歌ったものでジャズばかりではない 自由気ままに歌うカーメンに合わせる腕達者なバックの人達も大変(汗)

by kurama66644 | 2017-12-10 10:00 | オーディオ | Comments(2)
Commented by akahanamizuki at 2017-12-10 22:25 x
オリジナルモノラルLPを、ステレオカートリッジや新しいモノラルカートリッジで鳴らすのは難しいと考えます。
モノラルLPでも25μ時代のLPは、RIAAに統一後も周波数特性はせいぜい30Hz〜15kHz。
少なくとも20〜20kHzはあるステレオカートリッジでは、構図ベストの距離がある被写体をワザワザ距離を離して広角で周り毎撮影し肝心の主人公が小さくなってしまった写真のような事が起きてしまいます。ソフトを製作したアーティストが望む形の音楽とは違うと思います。
また現在の15μ以下モノラルカートリッジでは溝の幅が合わないのでコレも苦しい。
オリジナル盤を聴くのであれば
時代にあった針と再生系とフォノEQ、上記周波数特性にあった帯域幅のスピーカーとそのSPにマッチしたアンプを使って鳴らすのが本来の鳴らし方なのでしょう。
ステレオ期に復刻されたモノラルLPは、15μ以下のモノラル針で鳴らしますが、スピーカーは同様かと思います。

SACDシングルレイヤーやDVDオーディオをCDプレイヤーで鳴らすのと同様の矛盾を抱えているのに
音は出てしまうので顧みられることが少ない事だと思います。

これらのことは自分が何を選んで聴くのかが規定します。
オリジナル盤を聴くか
複刻盤を聴くか
CDを聴くか
で違いますが、優劣ではない。

ということで
オーディオの音を一番左右するのはソフトであり、そのソフトを選ぶ「人」だと考えます。
Commented by kurama66644 at 2017-12-10 23:21
> akahanamizukiさん こんばんは。

やはり色々総合的に考えていかないといけないようですね~。
オルトフォンのモノラルカートリッジは現行品ですが1ミルの太さです。GE社のバリレラは当時のものでしたがアームとイコライザーが上手くマッチしていなく中断したままです。カモメマークの当時のシュアーのモノラル針を持っていますが こちらが雰囲気的に良かった気がします。おっしゃるようにSPやアンプの組み合わせも関係しているのか自分的にはイマイチでした。

現在を生きる我々はタイムマシーンでもない限り昔に戻り その当時の音(※レコードなりを再生したその時の音、音楽)を聴くことは出来ません。ただ先人たちが残してくれた機器類や資料、ソフトその他で 現在でも こうであろうという再現は可能かと思います。

何の為のオリジナルか、ソフトなのかという事を改めて見つめ直すご意見ありがとうございました。