オリジナルと再発盤
ダンスミュージックであったスィングからビ・バップ、ハードバップへとモードを経てフリー、フュージョンと進化し現在に至る、その中でも50~60年代にかけて名演、名盤が数多く誕生している いわゆるモダンジャズと言われ一般的にはジャズ=モダンジャズとも考えられ その時代におけるオリジナル盤が非常に貴重な価値を持って重宝されている。80年代以降は録音もアナログからデジタル録音に移り メディア媒体もLPからCDへそしてデーター配信へと変わっていった。
同じオリジナルでも50~60年代のオリジナルと80年以降のオリジナルでは市場に於いての価格(価値)に相当違いがあるのは何度も再生できるデジタルと1枚1枚違うアナログとしての希少価値、ジャズの進化の頂点が50~60年代でそれ以降 演奏技術は進んだがマンネリ、停滞が現在進行形中であるという証なのかもしれない。
ジャズ好き、オーディオ好きでもこの音源を重視する方は意外と少ないように思う。かくいうキタサンも30年以上ジャズに接しているが音源を意識し出したのはここ3~4年ぐらい オーディオを始めた10年前はミニコンポを長年聴いていた延長上と考えCD再生がメインであった。
きっかけは50~60年代のモノラルオリジナルをモノラル針で聴いた事であるのは過去のブログでも何度か書いた。今まで聴いていたCDはいったいなんだったのだろう?と思い そこから元の音(オリジナル)に興味を持ち調べ、実際購入していった。
聴けば聴くほど再発盤やCDとの違いが駄耳の自分でもハッキリ分かりオリジナルでなければジャズでは無いとさえ思った時期もあった。
しかしジャズオーディオをやられている方 すべてがオリジナルに拘っているわけではなくCDやデーター配信で楽しんでいる方も沢山いる。
コレクターは違う観点から蒐集しているのかもしれないがオリジナルを所有している事に対して優越感を持っていたのは事実である。(数は少ないが…)
オフ会などで聴く音源をつい自分が所有している音源と比べたりして心の中で評論、判断を下すようになったのは今思えば大いに反省する点であったと思っている。
それは意識しなくても自然と態度に出ていたのかもしれない… 大抵は自分の所より機材も高価で部屋も広い それに対抗出来るのはオリジナルを所有しているかどうかという狭い心になっていたのだろう。
遥か昔の貴重な演奏が集約されているオリジナル音源は歴史的にもとても大切なものである。再発盤はそこに手が加えられているので再発なわけだが音楽は聴きとれると思うので受け取り側の感性や心持次第でいかようにも楽しめる。
音を重視するオーディオマニアがオリジナルに余り興味を持たないのは不思議であるが機器や部屋環境に目がいって音源は後回しだからなのか?
冒頭にも書いたようにデジタル録音になりオリジナルの複製技術が格段の進歩をとげ 近い将来もはやオリジナルかそうでないかは意識されなくなるのかもしれない。コレクターの為のオリジナルになってしまうのは少しさみしいような気がする。
ところで以前 クラッシックをよく聴かれる方でアナログ専門だが殆どオリジナル盤を所有している方と話をしたことがある。
やはりオリジナル盤はいいですか?と何気に聞くと「同じ盤なら最初に発売されたほうがいいですからね~」とさりげなく答えてくれた。
同じ物なら古いより新しいものがよい…のか? いや そういう意味ではないだろう、今一つ真意が分からない。
何となく拍子抜けしてしまったのだが そういえばクラッシックを聴かれる方でオリジナルに拘っている人(所有している)は少ない様な気がする…
ジャズファンのオリジナルに対するものと捉え方が違うのだろうか? 今度ご近所のクラッシックの大家と飲み会があるので聞いてみよう。
ロリンズは何度も来日しているが90年初頭に一度だけ聴いた。ライブ会場ではなくホールだったのでもろPAの音、それでも本物がいるだけで感激した。
メンバーの一人ボブ・クランショウは この頃はもう腰を痛めて重いウッドベースを弾かなくなったのはちょっとがっかりであった。
ご近所のクラシックの大家さんのお考えも気になりますね。
自分はクラシック音楽中心に聴いていますが、あんまりオリジナル盤には興味が湧きません。
お金が…、です。費用対効果(音質)にも懐疑的。
でも、お金のある人はバンバン買っているようです。
CDを中心に聴く方はリマスタリングを云々するように思います。
これもキリがないように思い、新リマスター盤やSACDになったからと言って基本、買いなおすということはしなくなりました。
今、持っている盤を今ある装置でいかに上手く鳴らすか、鳴らしたいというのが自分のスタンスです。
ご近所のクラッシック大家の方と話してきました。
結論から言うとオリジナルには拘らないそうです。アナログであれデジタルであれホール感、演奏の音、音場感等 シッカリ出ているものがベストと考えるようです。
その上でオーディオ再生が自分の思う、考えるように再現できるか追及されているとの事 オーディオ再生だけではなく実際の現場(国内、国外)も小まめに生演奏を聴きに行っているご様子です。