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音楽のあや

ジャズを聴き続けてようやく30年ぐらい経った。音楽自体それほど興味は無かったが子供の頃から見ていた歌謡曲や日本のポップスなどは時々聴いていた位である。 飽きっぽいAB型のキタサンだが よくこれまで飽きずにジャズを聴いて来られたなぁと今更ながら思う それだけジャズとは馬が合ったのだろう。

今はどうか分からないがジャズはメジャーな音楽では無かったと思う 少なくても日本では。本国アメリカでも大衆音楽の座をロックに奪われマイナー化した。
アルバムヒット数もロックやポップスに比べ微々たるものである。ただそういうマイナーな面が日本人気質に合っていたので日本人の琴線に触れたのだと思う。

ジャズ喫茶という日本独特の場ではメジャーなものを嫌う傾向があった。それを知らない初心者は巷で出ている有名盤などをリクエストしてベテランからひんしゅくをかう(-_-;) キタサンも30年前以上 ジャズをよく知らないまま先輩に連れられていかれ「なにか知っているものをリクエストしてみろよ」とはんば強制させられたが有名なアルバムしか知らず ロリンズのサキソフォン・コロッサスやエバンスのワルツ・フォー・デビーなど紙に書き 手渡してかけてもらったが 案の定 周りから白い目で見られた(笑) 知っている曲を普段絶対聴けないような大音量で聴けるのは快感であったがジャズ喫茶ではそういうメジャーなものはリクエストしてはダメという暗黙の了解の雰囲気がビシビシ感じられたので以後 マイナーなものをリクエストするようになった。

派手なパフォーマンスや迫力、テクニックで圧倒するのではなく巧妙な間の取り方、さりげないフレーズなどを使う いわゆる「音楽のあや」を心得ているそういうジャズアルバムがないものか色々探すようになった。そしてそういう音楽のあやに触れられる事ができるのがジャズ喫茶である事も体感していった。

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ジョニー・コールズの「リトル・ジョニーC」が出たのは63年、ちょうどハードバップが成熟期を終え 新主流派が台頭してきた頃、そしてファンキー路線、フリーとちょうど混沌としていた時期のものである。メンバーが新主流派の代表格ともいえるジョー・ヘンダーソンやピート・ラロッカ、そしてアルバム全体を支配している雰囲気はその翌年出るリー・モーガンのサイドワインダーを彷彿させるジャズ・ロックの片鱗が感じさせられる。

ジョニー・コールズは派手さは無いが生真面目な新主流派よりは くだけたファンキーなトランペットを奏でている。決してメジャーではないジョニー・コールズ、その「音楽のあや」を聴衆に訴えるミュージシャンの一人であると思う。

※こういうジャケットのセンスは流石ブルーノート! キタサン所有のアルバムでもジャケット、盤、両方ともとても綺麗な状態のものである。半世紀前のアルバムでも とても綺麗なものが存在するんだなぁと感心した1枚でもある。

by kurama66644 | 2016-10-02 09:32 | ジャズ | Comments(2)
Commented by senriyan at 2016-10-03 21:23
キタサン、こんばんは。
このアルバム自分も持っていますが、状態が良くなく、これは実に羨ましい!
新主流派のなかにまじって、この人のトランペットがミスマッチという話しもありますが、この人のレコードは少なくて、この存在聴けるだけでもいいです。
今、探しているんですけど、出てこない。
なんか、B面にひっそりとした印象的ナンバーがあり、それが、素晴らしいのです。
Commented by kurama66644 at 2016-10-04 20:02
> senriyanさん こんばんは。

文中には書かなかったですが この頃のデューク・ピアソンも良いですね。
色々なアルバムに参加していますが この人がキーポイントとなってそれぞれのアルバムの骨格が出来ているような気がします。

ジョニーコールズはハードバッパーのトランペットやクリフォード・ブラウン、ブッカー・リトルなどの天才とも違うし もちろんマイルスとも違う(笑) ソウルフルなトランぺッターですね。
中々いるようでいないです。

おっしゃられているのはB面3曲目のソー・スィート・マイ・リトルガールでしょうか?
アルバムの中でもホント印象的な小品ですね。