最後のプリアンプ
CD再生していた時はアンプはシンプルにという事で余計な機能はついていない方が良いと考えていた。現に最近のアンプはシンプルな作りで左右のバランス、トーンコントロール、ラウンドネス、ミュート等 昔は当たり前についていた機能をそぎ落としていった。それはCD再生が主流になり色々な調整を簡素化し無駄を省いた面もあったと思う、あとコスト的な問題もあっただろうし そんな面倒くさい調整をしなくてもCDフォーマットでは歪もなく?きれいな音が再生できるのでそのような機能も必要なくなったのかもしれない。
親交があるベテランオーディオファイルのYさんは左右独立したバランス調整のアンプを使い レコード毎に左右のレベルを書き込んでそのツマミの位置で聴いている。
アナログ再生自体 手間が掛かるのに更に面倒くさい事をしているなぁと以前は冷ややかな目で その調整する様を見ていた。
しかしながらアナログオリジナルを再生する機会が多くなるにつれ Yさんの行っている事にとても意味があるように思えてきた。
非常に音にメリハリがあるオリジナル盤(昔の)は その音色調整、音量調整、音場調整などでガラーッと表情を変える。
気軽に寝っ転がりながら聴く音楽もいいが 趣味として手間暇をかけて聴く音楽もあっていいと思う。
キタサンはアルバムをそれほど沢山持っていないし 今後もそれほど増やそうとも思っていない。それならば所有の好きなアルバムを大事に扱い そのアルバムの魅力を色々発見したいと思っている。
5年前に購入したプリアンプはオーディオデザインというガレージメーカーの物だが とても優秀なアンプで2010年前後の製品である。
現在使用のラックスマンのC-06αはフォノイコライザーE-06の後発に出たアンプで1990年前後のバブル後期 採算を度外視して作られた贅沢品のプリアンプである。
そして今回 購入したアンプはクラウンのプリアンプ IC-150 1970年製である。クラウンはアメリカの業務用音響機器メーカーでRCA端子を使ったこのような民生用の機械も作ったりしていた。JBLとは相性もよく プリ、パワーともクラウンのアンプを使っているオーディオファイルも現役でおられると思う。
現在 このIC-150をプリとして再生しているが予想通り 中低域の押し出し感がありカラッーとした爽快な音がする。イギリスのモニターオーディオのスピーカーがホーンスピーカーのようにグイグイ音を押し放つ。多少大ざっぱな傾向があるがシンバルやトランペットの音がシャキーンと頭の中を突き刺すようで楽しくなる音である。
下品な音にならないのはラックスマンのフォノイコを通しているからだと思う。プリアンプにフォノイコも2系統ついているが敢えてそれを通さないで再生している。
音に深みを出したい時はトーンコントロールで調整している、そして音が生き生きしてくる音量の位置合わせも重要である。(※トーレンスTD124使用の場合)
年代物でオークションでも流通しているクラウンのアンプだが中々状態の良い物がなく購入に至らなかったが状態の良いものがようやく見つかり今回 購入した。(※パワーアンプは現役で発売されているような?)
このIC-150を今は使っているが ラックスマンの潤いを持った音色も捨てがたいので暫くは2つ並行して使っていこうと思っている。
とは言いながら このプリアンプは実に面白い!昔のアンプで解像度なんて期待していなかったが中々どうして大したものである。おもちゃ箱をひっくり返したような何が飛び出てくるかわからない期待と楽しさがある。音のおいしい部分の中域を太く出すあたりが昨今のアンプには無い面白さなのかもしれない。低域や高域自慢のアンプが昨今のトレンドかどうか知らないが 音の芯の部分の中域がドシッとしていなければ生気のない音になると思う。
価格はネット等でみれば大体の相場はわかると思うがオーディオマニアの方から見るとゴミのような価格である。
そんなゴミのような価格のアンプでも自分にとっては最後のプリアンプにしようと 思わしめた逸品である。
ははあ、これが前から仰っていたプリアンプですね。クラウンと言えばしばらく前に現行パワーアンプが良品廉売で有名になってましたが、プリアンプは初めて拝見しました。ストレートに工業製品ぽいところが逆に格好いいです。音も良さそう。待望のプリアンプ導入おめでとうございます。
でも、なんとなく最後のプリアンプにはならないような気がします(笑)。
このプリアンプは外枠無しの状態です。木製の外枠をつければもう少し恰好よくなるのですが(笑)
オーディオ仲間の家でマッキントッシュのプリの音は時々聴いていたのですが ちょっと壊れやすいのが難点でしょうか。クラウンもかなり古いですが結構丈夫なようですね。状態の悪い物も市場で多く出ていますが かなり注意して購入しました。
よくスピーカーは外身、アンプは中身と評され、音の変化はどちらもありますがアンプの音の変化はしばらく聴かないと分からないですね。楽しんで聴いています。
ウチのマッキントッシュのプリアンプ(1985年モノ)は買ってから2年経ちましたが、これまで2回修理しました。1年に1回のペースは多いですよね。ハズレなのかな。
とは言え、音は気に入っていますし、MMフォノイコ付きでラインアウト2系統など、入力出力端子が豊富で便利なのでやめられません。もうちょっと故障せずに頑張って欲しいです。
ところで、紹介して頂いたM44-7はかなり良いです。低減がしっかりしています。値段が高ければ良い訳ではないですね。
最後の?プリアンプにしようと思っています。(^_^;)
同じアメリカでも クラウンの方がアクが強いかもしれません。マッキンの方が見た目も恰好いいですよね~
本当はアクが強いのが苦手なんですが… TD124ではトランスを通さずに鳴らしていますが
文中にも書いたようにおもちゃ箱をひっくり返したような鳴り方をします。アンプの素の音なのでしょうか?
逆にもう1台のケンウッドの方はトランスを通して鳴らしているのですが 非常に端正な鳴り方をするんですね、迫力が無いわけではないのですが不思議な感じです。今までの盤を確認しつつ楽しみながら聴きかえしています(笑)
私もバランス、トンコンなど調整できるツマミは、絶対に必要と思います
設置だけでは、どうやっても調整できない部分もありますし、その点、Y氏は、大御所だけあって「元、アンプ設計者でもありますし」良く解っております
まぁフロントパネルにツマミやスイッチが沢山あったほうがオーディオやってるんだ、と心境にもなります、、、セレクターとボリュームだけでは、のっぺり過ぎて、つまらないです、笑「個人的な見解ですけれど」
阿部さんもアンプには余りこだわらないと おっしゃってました。とても自然な音を出されていましたから 胆はアンプではなくアナログ盤そのものなのかな?とも思ってしまいました。
レコードは未練が残るかもしれませんが思い切りも必要かもしれません。 場所の問題もありやも負えない場合もありますよね。
少し厳ついフロントかもしれませんが(^_^;) まぁ無骨な感じがジャズっぽくて良いかな?なんて勝手に思っております。
最近のアンプや録音で よくリアリティ感が凄いものがあり それが良い音楽?音の風潮が見受けられます。 そういう観点からするとこのアンプは落第かもしれません。
しかしながら 人の心をワクワクさせるような期待と楽しさがあるアンプのような気がします。
又 その辺りは別に記事にします。