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ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い?

いきなり「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」などという物騒なタイトルだが音楽プロデューサー西寺郷太さんの著書のタイトルである。

1985年にアフリカ飢餓救済の為 全米スターたちが集まりチャリティーソングとしての金字塔を打ち立てた。

1985年頃は自分はジャズ初心者でジャズより歌謡曲、J-POPを主に聴いていた。そういう中で会社の後輩がロック好き、ギター好きという事も有り感化されロックに傾倒していた時期でもある。ちょうどその頃テレビで「ベストヒットUSA」が小林克也さんの司会で放映されていたので毎週見ていた。
オーディオ機器なんて何もなかったので音源はテレビであったがプロモーションビデオが流行り出した頃でもあったので音楽プラスビジュアルでより楽しく聴けた(見た)記憶がある。

この著書には副題があり「アメリカン・ポップスの青春が終った」と書かれている。単に著者の西寺さんの青春時代の歌を懐かしがっていると言う意味ではなく、ポップスがこのウィ・アー・ザ・ワールドで終わりを告げたのではないかという衝撃的な?意味を含んでいる。

ポップスとは和声英語でポプュラー(大衆)からきたものだと思うが この曲以降はそういう大衆受けする曲は余り受け入れなくなってきたように感じる。要は自分の好きな曲はみんなとは違うという個の時代に突入してきたともいえる。更にはリビングで大きなステレオないしはテレビを家族で見る、聴くと言うのではなく機器自体もウォークマンに代表されるように個人で所有する形態に変わっていった。音楽はよりパーソナルに各個人の好みであり大衆受けする必要もなくなり インディーズのような好みのピンポイントをつく楽曲も多くなってきた。 当然レコード会社も今までのようにヒット曲に恵まれなく苦戦を強いられるようになってきた。

アメリカだけではなくヨーロッパ出身の大スターも参加した このウィ・アー・ザ・ワールドは指揮するクィンシー・ジョーンズがマイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチになるだけ一般受けする壮大なメロディと歌詞を要求してきた。そして演奏するバックには突出した過激な演奏もいらないと注文を付けたようである。
アメリカンポップス界(ジャズ?カントリー、ロックなど)の大スターを集結させ大衆受けする楽曲を作り歌わせる。この時点でアメリカン・ポップスの最終兵器を出してしまったので それ以降はもうポップスは無くなったと著者の西寺氏は言っているように自分は捉えてしまった。

アメリカン・ポップスの成り立ちやウィ・アー・ザ・ワールドの舞台裏などかなり面白く書かれている。そして何故「呪い」なのかは実際著書を読まれてから判断してほしい。


それにしても当時のメイキングビデオは金をかけていたのだと改めて思う。景気が良い時代だったのだなぁ
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by kurama66644 | 2015-09-04 20:44 | Comments(0)