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元の音とは?

TD124のフルレストアした音を聴いてから色々考えるようになった。

私がオリジナルを中心にその時代のアナログを聴くのは元の音源を知りたい、自分の基準となる音を知りたいと思ったからである。
たまたま好きで聴いていたのは50,60年代のジャズである事は何度も書いた。

ところで元の音ってそもそも何であろう? 一般的にはそこで(収録された場所)演奏された生音の事だと思うが そもそもマイクで収録された段階で音そのものが変わっているはず、それを補正しながら最終的に我々が聴けるメディア媒体が出来上がってくる。当時は(50,60年代など)今と比べてマイク性能、その他機器の性能などかなり劣っていた事は想像に難くない。音響上で問題?になっている雑音や歪、その他余計な成分も除去されず収録されていたのでそれをかなりの割合で編集していたように思う。しかし そのような音響的に悪いとされている部分も幾つか残し音楽として捉え製作されていたのではないだろうか。

TD124のメカニズムは電子制御されていない機械然とした造りである。コンマ何秒のずれもないような正確な回転もなくムラが多少なりとも生ずるし、リムドライブにおけるモーター音も聴感上では問題ないが聞こえるような気もする。

色々な意味で不完全な?アナログと精巧とはいえ現行の機器類に比べ数字性能的には劣っているTD124。マイナスとマイナスが合わさりプラスに働いてるのではないかと思うようになってきた(笑) これは音響上の問題ではなく音楽として捉えてという意味である。すなわちアナログを製作する様々な関係者が演奏者をリスペクトし最大限にその演奏の良い所を見つけアナログディスクというメディアに落とし込む、それを再現する機器類の製作者もその意図を理解し作成する。人の思いが集結したメディアと再生機器。そしてそれを正しく使う再生者(我々)の三者の思いが一致した時に感じられる波動のようなものが音再生ではなく音楽再生ではないのかと…少し理屈っぽくなってしまった(^_^;)

先日 このTD124を購入した方の所に行って来、色々なアナログを聴かせていただいた。この方もオリジナルを中心に50.60年代のジャズをよく聴いておられるようだが 必ずしもオリジナルに拘っているわけではない。「物によってはOJC盤やアナログプロダクツなどオリジナルに負けないようなよい音質のものもあるよ!」と聴き比べさせていただいた。確かに言っている通りで下手なオリジナルより感動するものもあった。これは聴き比べてみないと分からない事である。

オリジナルであれ再発であれ その関係者が関わり合い製作されたものの善し悪しを判断するのは最終的に視聴する我々である。
もちろんスピーカーから出てくる音で判断するのだが その上流にあたる音源(アナログ、CDなど)とプレーヤーが悪ければ最後まで悪くなる。
元の音への追及はまだまだ続く(笑)

by kurama66644 | 2015-04-19 09:17 | オーディオ | Comments(0)