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トーレンスTD124の世界

50年代60年代のジャズの雰囲気を味わいたい。

そんな思いで当時のオリジナルレコードを聴き始めたキタサンである。

しかし当時のオリジナルレコードをただ聴くだけでは その時代の息吹きや雰囲気まで中々深くまで味わうという所までいっていないと感じていた。

漠然とだがオーディオ再生に於いて何が重要かを考えた。レコードか部屋かアンプかそれともスピーカーか はたまた電源か…全部大事だと思う(笑)
まだオーディオ歴8年足らずの素人なので勘違いしている部分もあるとは思うが 今回は音というより音楽を楽しむ為にレコードプレーヤーの見直しをした。

以前のブログでは艶っぽい音を出したくなったと書いたが これは演出が必要だと考えた。レコードが原作とするとカートリッジが脚本。アンプが監督でスピーカーが俳優というところであろうか。んっ…何かが足りない!そう演出家である。これがアナログプレーヤーにあたると思う。
国内のプレーヤーも優秀なものも多いがアナログプレーヤーに関してはどちらかと言うと脇役でアンプやスピーカーが主役と考える人が多いと思う。
それに対して外国では味わいのあるプレーヤーが時代を経てもかなりの人気がある。

そうして今回 私の憧れのアナログプレーヤー トーレンスTD124 MK1を購入した。
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現在トーレンスのTD521を使っているが80年代のベルトドライブ方式のものである。
TD124MK1は57年頃から60年代初頭にかけて作られたものでモノラルとステレオ一般に使われていた。もうひとつMK2というのがあるがこれはステレオに特化して作られたものである。見た目はほぼ同じだが細かく中身をみるとかなり作りのコンセプトが違う。詳しい説明はまたの機会にするがモノラルをメインに鳴らす為MK1の方を選んだ。
半世紀前のものだがフルレストアしてもらい極上品に仕上がったと思う。駆動部分のモーターも力強い。本当はMK1の初期の物が欲しかったが高すぎて諦め(笑)50000番代だから後期に属している。初期と後期では音の違いがあるが基本 音の骨格は同じという説明を受けた。この機種はアームボードの取り外しが容易で色々アームを選べるのだが私の好きなSMEのアームではなく かなりマニアックなアームをセレクトしてしまった。
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オルトフォンが50年代末アメリカ向けに立ち上げたブランドでESLという会社がある。その製品でS-1000 ダイナミックバランス型、有名なRMG212の始祖になる製品である。

無骨で素っ気ない風貌である。アームリフターもない、針圧調整のダイヤル表示も無し(笑) しかもバネが飛び出している(^_^;) 現在日本では殆ど出回っていないようにも思う。経年劣化で傷んでいたがわざわざ部品を本国から調達し調整してもらった。そしてこのアームが実は少し面倒なのである。

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おーっカートリッジはやはりSPUで! イエイエ よーく見ると少し違っている?

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そうアームのESL社のヘッドシエルに今まで使っていた安いモノラルカートリッジを取り付けただけ(笑)
偽SPUなのである(^_^;) なぜこんなことをするのかと言うと このアームの接点が通常の配列ではなく十字配列になっておりユニバーサル型のアームではあるが十字配列に合わせたこのシェルを使わないと現行品の殆どのカートリッジがそのまま装着出来ないのである。 こんな面倒くさいアームを選んだかと言うと次のステップの為とTD124はアームボードの取り換えが楽なので いざとなればアームごと取り換えも出来るという事でチョイスした。

肝心の音、音楽の方だが2枚ほどアルバムを聴いてみた。一聴して分かったのは音の重心が下がったことである。
それと音が汚くなった!(笑) 間違いなく綺麗な音ではなくなった。歪やノイズが増えたわけではない、何かしらの揺らぎが出て来たのだろうか不思議な感覚である。
音楽が流れる中で喜怒哀楽が分かると言えばいいのだろうか、そういう中では爆音での音楽表現もいらないし かと言ってBGMぽっくない。

いにしえのレコードプレーヤーは色々な謎があり これからその謎を解明していくのが楽しみである。



by kurama66644 | 2015-03-27 08:11 | オーディオ | Comments(4)
Commented by tempo at 2015-03-27 21:10 x
こんばんは、埼玉のA店さんですか?このお店のブログ、面白くていつもチェックしています。

TD124mk1は私も欲しかったので、昨年末に同店に問い合わせ、相談しましたが分割ができない(2回まではOKでしたが)ので諦めました、、、結局〇〇回分割でAcoustic Solidのプレーヤーを購入しましたが、支払総額は欲しかったTD124よりも高額になってしまい複雑な感じでした、、、分割さえしてくれたら買えたので残念でした。

やはり昔のモノラル盤はこういうプレーヤーで聴くのが良いのでしょうね。羨ましいです。いつの日か一括で払えるように貯金でもしようかと思いますが、日々のレコードの支払いでキュウキュウなので一生無理かも、、、
Commented by kurama66644 at 2015-03-27 22:26
tempoさん こんばんは。

そうA店です(笑) ここの店主は基本的にはジャズしか聴かなく、私もそうですが他に歌謡曲もアナログで聴く事を話したら同じく歌謡曲も時々聴くらしくアルバムを何枚も見せてもらいました。

TD124は不思議なプレーヤーですね。音というより音楽が鳴っていると感じました。文中にも書いてあるように音を楽しくする演出がなされているのでしょうか?高域がどうの低音の質がどうとか定位が…など あまり気にならなくなるぐらい音楽に没頭できます。オーディオ歴は短く未熟ですが自宅では初めての体験です。
Commented by ばけぺん at 2015-03-28 14:31 x
キタサン、こんにちは。

良いですねえ,TD124! うーん、格好良い。
僕もこのお店のサイトはずいぶん前から何度も見に行っています。念入りにメンテナンスしているみたいだし、情熱を感じるお店ですね。

アイドラードライブは馬力がありそうなので出てくる音も力強そうです。記事を拝見して僕も欲しくなっちゃいました。
カートリッジにも新しい計画がありそうなので今後の展開を楽しみにしています。
Commented by kurama66644 at 2015-03-28 20:18
ばけぺんさん こんばんは。

半世紀前の物が これだけ味わいのある音、音楽を奏でるのは驚きです。いわゆるビンテージにあたるのだと思いますが古くて新しいとは こういうものなんだと一人で納得しています(笑)。正確な回転、S/N比の向上、優れたトレース能力と現代のアナログプレーヤーは その辺を重視して作られています。
それは良い音を出すための方法で よい音楽を奏でるには又、別のアプローチも必要、それがTD124で確認できるのかなと勝手に思ってしまいました。