理想の音

オーディオを始めた当初 皆 基準にしている音はどんな音なんだろう?と疑問に思っていた。
今から10年前にこの趣味をスタートさせたがまだSNSが今のように当たり前になっていない頃 (利用していた人ももちろんいたと思うが)オフ会なるものもせず 黙々と自室でオーディオ機器を弄っていた。

ここ何年かはオフ会なるものにも参加し 他の人のオーディオにふれる機会も増え色々な事を勉強させてもらった。ただ面と向かって「あなたの基準にしている音はなんですか?」と尋ねた事は無かったが 各人の「理想としている音、目標にしている音」など会話の中で理解できるケースもあった。実際に生で聴いた誰それのピアノの音に近い感じでスピーカーから奏でるようにとか ホールでの臨場感ある響きをわが部屋でとか 目の前で演奏しているかのごとくリアルな音の再現とか 生音ではないが楽器のベースがズンズン響いてくる音とか 人それぞれ様々な理想とする音、目指す音があるようだ。

今更ながら自分は長年聴いていたミニコンポの延長線でしかオーディオを捉えていないようで理想の音と言われても今一つピンとこない。
テレビが家にはないので音楽をかけているが人の音がリアルに聴こえるのはむしろラジオの音声の方がリアルである。録画を抜かして正に今しゃべっている音なのでリアルなのは当然である。ラジオはBGM的にしか聴いていないがたまに引き寄せられるように聴き入ってしまう事はある それは自分に直接関係のある話とか興味のある話で音ではなく内容が重視だ。でも素敵な声の人も世の中には沢山いるのでそういう人の会話も聴き入ってしまう それはやはりBGMとして聞くだけである。

そうなるとオーディオは人の声、会話というより音楽を聴く手段であるから単純に音だけ聞くのもありかもしれないがやはり音楽の内容が重要かと思ってしまう。
ところで音楽の内容といっても専門家でもないので音楽理論や奏者のテクニックなどそれほど詳しく分からない。そうすると「音」の高低、響、強弱などの変化を聴いて心に来るものがあるのか判断する事になるのか? ボーカルの場合は歌詞があるのでそれを理解して判断も可能だがボーカルだけが音楽でもないし…などなどヘンテコリンな事を考えながら 今日もこのレコードを聴いてしまった。
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カーペンターズの4枚目のアルバム「a song for you」 このタイトル曲はレオン・ラッセルの書いた曲でカーペンターズのオリジナルではない。
キタサンはカーペンターズの中ではこのアルバムが一番好きだ 心の琴線に触れるようでお気に入りなのである。
昔から音楽自体は好きでも嫌いでもなかったし どちらかと言うと美術の方に関心があった。おそらくオーディオで音楽を聴く感覚は美術を観る感覚で捉えていると自分では思っている。だから音そのものよりこの音(音楽)を色彩に例えるとどのような色や構図になるのかとか そのものズバリでアナログジャケットの出来栄えなどに注意がいってしまう。

理想の音というより今の気分にある理想の色、形を音楽で表現している作品を求めている。そういう作品が自分の元にあり自分の好みの表現がなされていれば それこそ理想なのである。

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# by kurama66644 | 2017-06-24 10:14 | オーディオ | Comments(0)

ページ・ワン

新主流派なる言葉を初めて聞いたのはもう何十年も前の事 ブルーノートのアルバムで4000番台辺りから活躍していた従来のバップやハードバップではない演奏をする新人たちのイメージがあったと思う。

実はその頃から その新主流派なる人達の演奏はそれほど興味は無かった それは今でも変わらない。
ところが興味は無かったが意外と面白いと思った奏者はいる その中の一人がジョー・ヘンダーソンである。
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リーダー作のデビューアルバムである 4140番「ページ・ワン」 最初はケニー・ドーハムが参加しているのでアルバム(その時はCD)を購入した。
これまで聴いたブルーノートのアルバム群に比べ音圧が少し低い様な感じを受け 普段よりもボリュームを少し上げて聴いていた。
相変わらずのドーハムの朴訥したペットの音の後にウネウネクネクネのサックス…同時期の新主流派テナー?のウェイン・ショーターと比べるとドーハム同様 朴訥とした音である。コルトレーンもある種ウネウネクネクネしていたが それをもう少し感情を抑えた音、音色と言ったらいいのか 正直言うと最初聴き初めの頃は余り魅力的とは思わなかった。

このアルバムの冒頭「ブルー・ボッサ」はドーハムが書いた曲でのちにジャズマンがよく取り上げる人気曲になったが この曲自体ドーハムが彼の為に書いた作品でライナーノーツでも彼を褒めちぎっている。

実際 ジョー・ヘンダーソンのライブステージを聴いたのは彼が亡くなる5年ぐらい前でレコード等で聴くサックスの音とはかなり違い大きな音であったのは驚いた。
(※ライブの音と家のミニコンポの出す音量では違うのは当たり前という意味ではない)
ただ うねるようなフレーズは健在でその特徴のある音に嵌ってしまい。「ページ・ワン」以降のブルーノートの諸作品を片っ端から買いあさり聴いていたのを思い出す。もっともその頃はまだオーディオ機器がなかったのでCDで気軽に聴いていたのだが今回アナログで自宅でちゃんとして聴くのは初めてと言っていいだろう。

ジャズ喫茶でもこのジョー・ヘンダーソンをリクエストする人は余り見た事が無かったように思うが彼はサイドメンとしても色々なアルバムに参加していたのでアナログでは多分聴いていたのかもしれない。モードやフリー、フュージョンもこなす器用さもあるが そこはバップを基礎として土台がしっかりしているからジャズを演奏するのに安定感がある。目立たないようでシッカリ主張している稀代のサックス奏者 ジョー・ヘンダーソン 64歳と比較的若い年齢で無くなったのは残念である。

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# by kurama66644 | 2017-06-22 09:50 | ジャズ | Comments(2)

機器の年代と寿命

一般の家電製品なら新品を購入するケースが多いと思うがことオーディオに関しては金額の高さもあり中古での購入も多々あると思う。

オーディオを始めた10年前は何も知識が無かったので新製品、新品が当然性能が良いし音も良い筈と疑いも無く新品を購入していた。もちろんヴィンテージの世界もある事は知っていたが一部のマニア向けとしか考えていなかったし逆の意味で金額的にもより高価なものが多いと選択肢にも入れていなかった。

しばらくしてオーディオにも慣れた頃 色々な機器を試してみたくなり買い換え等も行ったが消耗品を取り替えるような訳にもいかなく 中古品をも物色するようになった 機器は少しでも使用していたら中古品となってしまうが実際はエージングの問題もあり多少使用された方が機器も馴染んで良い按配になる事もありえるのでオーディオ機器に関しては中古品も市場でよく売買されている。金額的にもかなり安くなるケースがあるので見逃せないのだと思う。

今考えると初めて中古品を買ったのはモニターオーディオのPL-100スピーカーであった。その前のパイオニアS-3EXが震災で転倒し その買い換えとして買ったものである。中古と言っても前のオーナーが半年ぐらいしか使用していなかったので殆ど新品に近くピカピカの状態で納品された。発売から3~4年後ぐらいのものでモデルチェンジも相当後に行われ(一昨年位かな)新製品に近いと言っていいのかもしれない。

そして昔?の製品を購入するきっかけになったのは本格的にアナログを行うようになってからである。
アナログはLINNのLP-12も新品で購入していたが殆ど使わずLP-12を売却したお金で モノラル再生を行う為トーレンスTD-521を中古で買った。このTD-521は80年代後半のもので25年ぐらい経過していた 多少のメンテナンスを販売店では行った?という事で再生には問題が無かったが本当に当時の性能を発揮出来ていたか今から思うとちょっと疑問である。もっともこの頃のプレーヤーは電子制御されているので機械仕掛けの昔のプレーヤーから比べると回転がしっかりしており使い方を間違えなければ普通に鳴る。 そう普通には鳴るのである…アンプやスピーカーが現代のものだったしレコードも再販のものを使用していたのでその時は気にしなかったがアナログの初期盤、オリジナル盤 時代的には50~60年代のものを鳴らすようになってから色々と考え始めた。その時代の機器でないとその当時のアナログ(メディア)はその雰囲気をだせないのではないかと…

そうしてアンプとフォノイコを90年前後のラックスマンに変え 更には80年代前後のQUADのアンプも購入、極めつけはプレーヤーを65年前後のトーレンスそして Dualにした事だろう。最終的にスピーカーはソナスの90年のもので落ち着いた。プレーヤー類はヴィンテージでその他機器はメディアがアナログからCDに変わった端境期のもの それでも25年から30年経った古いものである。本格的に時代に合わせたビンテージ品を使用されている方も中にはいるが機器のコンディションそしてメンテナンス 極めつけはお金がかかり過ぎて一般向けではない(^_^;) せいぜい25~30年前ぐらいが落としどころかな?と思いデザインその他嗜好を考えてこれらの機器になった。

性能面で言うと現代の機器に比べ劣っているものも多いが再生するメディア(LP)の時代に合わせたものであるからそれほど違和感は無い。
むしろ現代の機器で昔のアナログ 特にオリジナル等を鳴らすとハッキリ、クックリしすぎて自分的には違和感を感じる。音が良い、悪いではなく音楽の風景が違う違和感なので人によっては現代機器で鳴らした方が当時の景色が逆に鮮明に分かって良いという人もいると思う。

かなりの年数が経っている物ばかりなのでスピーカーを抜かして全てメンテナンスをしてもらったがアンプ類は電解コンデンサーが劣化しているものが多く その取り換えもしてもらった。ラックスマンの修理の方と話したがICなどの専用部品の故障だと修理不可であると言われたが幸いにもその箇所は大丈夫のようなので事なきを得た。

お気に入りのヴィンテージ品も部品の供給が断たれるとアウトである。代替え部品を使っても音は変わってしまう事もある、さらに機器の一つでも使えなくなり新しい機器を使用すると他の機器とのバランスも崩れ せっかく上手くいっていたのが台無しになってしまう事もあるのでヴィンテージ使いの方は結構神経を使っているはず。モノには必ず寿命があり永遠ではないので大事に使い それでも壊れてしまったらそれはそのモノの寿命と清く諦める事も必要かもしれない。


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ショーターのデビューアルバム。残念ながらオリジナルではない…(セカンドぐらいかな?)1959年の作品だがこのアルバムは別にヴィンテージ装置で聴かなくてもよいかも(笑) ショーターの音楽世界はむしろ現代的である。



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# by kurama66644 | 2017-06-18 15:56 | オーディオ | Comments(2)

バーバラ・キャロル

今年の2月に亡くなったバーバラ・キャロルは亡くなる前まで現役でピアノを弾いていた女流ジャズピアニストである。(享年92歳)

女流バップ・ピアニストとしては元祖的な存在であったが元々はクラッシックを演奏していたらしく結婚後暫く引退していた事もありジャズピアニストとしては一般的には今一つなじみが薄い存在である。 女流ジャズピアニストは今では珍しくないが当時はごく少数の存在であった マリアン・マクパートランドやユタ・ヒップ、日本では秋吉敏子などアルバム等残しているので知っている人もいるだろうがバーバラはそれほど沢山のアルバムを残していない。

昨年新宿のHMVで76年頃ブルーノートに録音したバーバラの作品を買って初期の作品を聴いてみたいと思いつつ1年が経過してしまったが「ララバイ・イン・リズム」という54年のモノラルオリジナルを手に入れる事が出来た。
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ジャケットは少し汚れているが盤はDG入りでシッカリしている 盤質自体Bクラスだがそれほど汚れもなくまぁまぁの状態である。
そのエサ箱には再発盤できれいな「ララバイ・イン・リズム」が2枚ほどあった もちろん盤質はAである。価格はオリジナルより若干高めであったがオリジナルのセンターレーベルRCAニッパ犬に導かれ(笑) オリジナルを購入した。
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淡々と弾くピアノは好みもあるが考えてみると自宅の小さなMinimaからなる響きの良い音はこういうタッチのピアノの音がよく似合う。
黒いピアノでもなく白いピアノでもない凛としたピアノ それでバップを演奏するのだから独特と言える表現であろう。

JAZZLANDで同じ女流ピアニストのジョイス・コリンズも似たような感じを受けるが こちらの方は若干大らかな余裕のものが感じられる。
それは時代による差であると思う。ララバイ・イン・リズムを演奏していた頃は男性主流でまだ女性はジャズに対してそれほど市民権を持っていない頃であったように思う。女性がジャズピアノを奏でる事にどのような意味を持って接してきたのか迷いのようなものをピアノに感じられる(…ような気もする(^_^;))それから10年以上経ったコリンズのピアノには気負いが感じられない 我が道を行くというスタイルを通している。
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個人的にはそういう気迫、気負いの様なものがジャズにはないとスイングしないのでは?と思ったりする。一見ユッタリしている演奏でも凄みを感じるアルバムは沢山出ている それは単純に演奏時の気迫という事だけではなく時代に対する挑む姿勢と言ったらよいのか その辺りは圧倒的に昔の(50~60年代)アルバムに多いと個人的には思う。



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# by kurama66644 | 2017-06-12 08:37 | ジャズ | Comments(0)

音は関係性により再現される

カテゴリーをオーディオにしようか少し迷った。

仕事を終え帰宅し椅子に座ると目の前にスピーカーが鎮座しており左横にはアナログプレーヤー、アンプなどが置いてある。
しばらく音楽はかけないで機器を眺めている 電源スイッチも入れないしLPもターンテーブルに乗せない状態だから当然 音はしない。
スピーカーを眺めていると幾重にも重なった天然木のエンクロージャーが明かりで反射して輝いているように見える。左側にある機器類のSMEのアームは造形が美しい 間接照明の光を受けこちらも冴えた光でまぶしい感じだ。一つ一つがオーディオ機器ではあるが このままでは単なるインテリアである アンプもただのモノ、スピーカーやプレーヤもしかりなのである。
その単なるモノ同士がつながり電気を通して初めてオーディオ機器として成り立つ。更には空気と言う存在がなければ音もしない(聴こえない)

演奏する側もその意思が聴く側に伝わる事が重要である 逆に聴く側もその意思を受け止められるかお互いの関係(態度)も大事である事は言うまでもない。

関係性が悪いのは各モノ(人)が無理している、あるいは適正な働き、役目をしていない事が原因である。
オーディオ機器が良く鳴らないのはその関係性が上手くいっていないからだと考えるようになった。

値段の高い物、安い物、大きい物、小さい物、大ざっぱな作りの物、繊細な出来栄えの物、様々なモノが自分の環境下で上手い関係で繋がっているか?

そういう見方でオーディオ機器を部屋に合わせ好きな音楽を鳴らせてみようと思う。

様々な関係性によって世界は意味する。そしてそれが物事の本質であると思う。

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# by kurama66644 | 2017-06-11 09:38 | オーディオ | Comments(0)

ジャズは好きです!


by キタサン
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