この音!
壁には高価な盤がまだ残っていたが同時に有名盤の復刻盤も飾っており値段的には3~5千円位のプライスである。しかしマニアはそれらには余り目を向けずエサ箱に集中している そう復刻盤は中身もそうだがジャケットの色使い等明らかにオリジナルと違い いかにもコピーを繰り返した面持ちでそれからして食指が動かない もちろん新品できれいなのだが正直言って一部を除いて買う気にはなれない。
その中に有名盤の復刻盤でウォルター・ビショップJrの「スピーク・ロウ」が飾ってあり値段は4200円ぐらいであった。この盤はピアノトリオでベースのジミー・ギャリソンのベース音に注目がいく盤でオリジナルを探していた時期 確かネットで350,000円ぐらいで落札され驚いた記憶がある その後時々オークションでも見かけるが6桁は軽くいくトンでもない価格のものである。CDではもちろん所有していたが部屋や装置の関係かベースの音が強調されうるさいだけで上手く再生出来なく 自分にとっては敬遠していたアルバムでもある アナログに回帰した時もこの再発盤を持っていたがCDと同様上手く鳴らせなくその後売却した。
そんな事を思い出しながら又 エサ箱を探すと今回のセール品の中に「スピーク・ロウ」が混ざっていた…もちろんオリジナルではない オリジナルだとおそらく壁の一等地に(そんな場所があるのか分からないが)飾ってあるはず。そうこれは2009年にユニオンで限定発売された復刻盤である サブタイトルに「この音!今までのスピーク ロウは何だったんだ」by寺島靖国 と書かれている。解説はジャズ評論家の原田和典さんで 可能な限りジャケットやレーベル面もオリジナルに忠実に、マスターテープから正確にカッティングなどかなり力を入れている文言が書かれている。ジャケットも中々いい感じで盤も重量盤らしくずっしりとしている 価格を見ると「5400円」?これ定価は3990円なのに中古の復刻盤が高くなっている…壁に飾っている新規の復刻盤より高いぞ~ということは貴重盤になっているのか?キタサンのポリシーとしてオリジナルに関しては当時の定価より高いものは買うのは止めている しかもオリジナルではない復刻盤が2009年時より高いなんて当然買わない!と決めていたが…一応検盤だけでも そうすると1本の傷のような線が盤を横断している…音に影響があるか視聴すると問題は無い 結局 買ってしまった(汗)タイムセールの時間が過ぎたとはいえ10%オフなんですって(笑) まぁお正月だしたまには贅沢してもねぇ。
帰宅し視聴はQUADとDualのプレーヤーで行った。M44-7のシュアーのステレオ針を使用 モノラル音源だが復刻盤なので1ミルのモノラル針は敢えて使わず(当時のモノラルカッティングマシンではなくステレオカッティングマシンを使用の為)やはりというか低域 ベースの音を少し強調し過ぎか?大型のスピーカー、広い部屋などを使っている方は大いに楽しめる?かもしれないがキタサンシステムでは部屋の関係もありちょっと過剰に聴こえる。そこは昔のアンプQUAD44だけにBASSやTILTという独自の音質調整機能を上手く使い聴きやすく出来た。 このアルバムの肝はベースとよく言われるがキタサン的にはリズムと速度だと思う 昨今のピアノトリオはスピード、早弾きで視聴者の気を引く 時折バラード等でスローに弾くがこのアルバムは終始ゆったりとして全体的におおらかな印象だ そういう中 加速したり減速をしたりアルバム内の曲に変化をもたらしている。この手のアルバムは中々あるようでないものである 音だけに気をとられベース音をどう再生するかという事に腐心しているとその部分を見落としがちである。
それにしても350,000円で買う人ってどういう人なんだろう?機器類やケーブル類に何千万と使っている人なのか コツコツと貯めたお金をここぞとばかりにつぎ込んだ人なのか 価値観は人それぞれだが どういう人なのか会ってみたい気もする…(ちょっと怖いかも)
自身が買いたブログの中で その時代の音をその時代の機器で聴くとそれなりに感慨深いものがあります。再発盤でも時代の音として捉えると味わい深く感じます。
販売する方も生活がかかっていますから儲けられる時は儲けるというスタンスで分からないわけではありませんが オリジナルとはいえ奢侈品ではないと思います レコードは!