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改めてMinimaを観る

ソナスファベールMinimaを使うようになり8か月が過ぎた。当初は4年以上愛用しているモニターオーディオのPL-100と併用していたがMinimaに固定してしまった。

機械を変える、アクセサリーを変える、部屋を変える…オーディオの環境が変わり音の変化に一喜一憂するものだが第一印象だけで良し悪しを決めるのは早計であろう。
自分は少なくとも半年以上同じ状態でないと本当に良かったのか判別がつかない。単なるその時の体や精神の状況により印象も変わったり、宣伝文句に洗脳?されブラシーボ効果であったり短期間では効果なんて分からない場合も結構あると思っている。

実際Minimaを自宅で初めて聴いた時 それほどの感動は得られなかった。というのも今まで使用していたスピーカーは殆どがモニターライクのスピーカーであり しかもこのMinima 能率が低い(84db) ジャズをメインに聴くキタサンとしては何じゃこれ?という感想であった。弱々しい鳴り方、帯域もPL-100やそれ以前に使っていたどのスピーカーより狭い、何となくこじんまりとした鳴り方をする。ちょっと失敗したかなというのが第一印象であった。 ただし音はともかくとして その造りは工芸品そのものである。奇をてらわないスピーカー然とした形ではあるがコーナーをラウンドさせた美しい曲面、バッフル面を皮で整え音の反射を抑えている、全体を厚手の天然木で覆ったエンクロージャーで艶のある木目は輝かしい。ミニコンポのスピーカー並みに小柄な筐体だが不思議な存在感がある。
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以前書いたかもしれないがキタサンが欲しかったのは同じソナスのエレクターアマトールであったが価格面と市場に余り出回っていない事などの理由と そして部屋の広さ等のバランスからすると このMinimaを選択した。

存在感はあるがジャズを聴くのにソナスのMinimaとは… オーディオを本格的に始めた10年前に最初に買ったのは定番?JBLであった(笑)
ジャズの熱さ、迫力を出すならやはりJBL! オーディオを知らない初心者のキタサンは周りの評判などから当然のようにセレクトした。
その後エラックやパイオニア、モニターオーディオとモニター系のスピーカーをセレクトして聴くようになった。ジャズだけではなく他のジャンルの音楽も楽しみたいという気持ちが多くなったきたからだと思う。

当初大した印象も持たなかったMinimaだがQUADのアンプと組み合わせ ひと月以上経ってから印象はだいぶ変わった。
響くのである。そう心に(笑) 音がどうこうでなく音楽を聴いて楽しくなる、ずーっと聴いていたくなるのである。
これはレコードだからそうと言うわけではなく 最近はCDを聴く事も多くなってきたがCDでも同じである。もちろん音の印象はレコードとCDではちょっと違うが聴いていたくなる気持ちは同じだ。 これはオリジナル盤、トーレンスのプレーヤ、QUADのアンプ、改造CDプレーヤーなどとの組み合わせでそうなった事も考えられるが
音を奏でる最後の段 スピーカーのMinimaが大きく影響しているのだと思う。

オーディオ素人のたわごとではあるがMinimaの「音の余韻」がそうさせているのではないかと思う。
現在では少なくなってきた 所謂箱鳴りで音を鳴らすスピーカー ハーベスやロジャース、そしてこのソナスなどもそうである。
ただし箱鳴りがするスピーカーが全て音の余韻を出すとは限らない。そして仮に出せたとしても高額なものでは庶民には手が届かない。
現にソナスのスピーカーは高級車が軽く買えるほどの高さのものばかりである。復刻したMinimaヴィンテージさえ数十万になってしまった(^_^;)

巨匠フランコ・セルブリンが手塩にかけて作ったスピーカーの傑作 エレクター・アマトールとMinima(オリジナル)。
ジャズを聴くようになって30年以上経つが まさかMinimaのスピーカーに行き着く?とは夢にも思わなかった。

以前キタサン宅に来られたベテランオーディオファイルは地下の暗い(笑)ジャズ喫茶ではなく 学生街にある明るいジャズ喫茶の香りがすると言ってくれた。
ジャズを聴いてあまり明るすぎるのも趣きはないが 確かにこのMinimaの音色は結構明るく元気なのである。色で言うとオレンジ、赤ほど情熱的で派手ではないがホンノリした明るさを持ち 暗い曲をかけても何となく包み込んでくれる感じがする。
落ち込んだ気分の時は やんわり気分を高めてくれ、高ぶった気持ちの時はそれを抑えてくれる そういう精神安定保持してくれる存在だ。

今日も朝からハワード・マギーの「ダスティ・ブルー」を聴いた。CDであるがちょっとかすれたマギーの音色と特徴のあるローランド・アレキサンダーのテナー、フルートが混然一体となって体を包み込んでくれる快感に浸っている。シビアなモニター系スピーカーでは絶対に出せない音の余韻を感じさせる貴重なスピーカーである…(と個人的には思っている)(^_^;)
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by kurama66644 | 2016-11-13 08:45 | オーディオ | Comments(2)
Commented by ばけぺん at 2016-11-19 18:11 x
キタサン、ご無沙汰しております。
ミニマ、とても良い音で鳴っているみたいですね。所有して、眺めて、聴いて、いろいろと満足感高そうなスピーカーだなあと思いました。
PL100はブックシェルフと言っても結構大きいですよね。ミニマのウーファーは11㎝だったでしょうか?僕が音楽を聞く部屋は8畳間くらいの大きさですが、最近、いくつかブックシェルフスピーカー聴き比べてみたら、ちょうどそのくらいのウーファーサイズがジャストフィットでした。
今は僕もミニマみたいに小さくて良質なスピーカーを探しています。
Commented by kurama66644 at 2016-11-19 20:28
> ばけぺんさん こんばんは。

久しぶりに肌触りの良い機器に遭遇した感じです。

音の方は人それぞれ感じ方が違うので 私の言った事は余り真に受けないで下さいね(笑)
こちらのウーファーは11cm、復刻版のヴィンテージは12cmだと思いました。
倍音を上手く出せているのか 測定上の周波数帯域より広く鳴っているように聴こえます。

ばけぺんさんも 自分のお好みの良いスピーカーに巡り会うと思います。
スピーカーの方から声をかけてくれます きっと!