スティーブ・キューンを聴く
機器の違いは分かるようなわからないような…部屋の影響も関係するのか もうあまり深く考えないようにした。
前々回のこのブログに80年代以降のジャズアルバムを再認識させられた記事を載せたが 今回も80年代の変わったアルバムを紹介してみる。
今も現役で演奏しているピアニストで スティーブ・キューンと言う人がいる。
ジャズ好きならもちろん知っていると思うが興味のない人には全くわからないであろう。ビル・エバンス派とよく言われているが初期の頃は結構ハードな演奏もしていたようである。
ピート・ラロッカやスティーブ・スワローなどのちょっと前衛的な人とトリオを組んでいたり初代ジョン・コルトレーンのグループのピアニストだったりと私はあまりこの人の演奏を好んで聴いていなかった。ここ10年ぐらい日本のヴィーナスレーベルで録音する事もあり甘美的な綺麗な音を出すピアニストというイメージをお持ちの方もいるかもしれないが内面はちょっと狂気の面も持っている危険なピアニスト(笑)だと個人的には思っている。
キューンは60年後半にストックホルムに移り住んで70年以降ECMレーベルでよく録音していたことも前述したヨーロッパの気品漂うような演奏?に反映されているのかもしれない。
こちらのアルバムは81年 ニューヨークでのライブ盤でシーラ・ジョーダンを交えた「LAST YEAR'S WALTZ」である。
相変わらずのシーラ―・ジョーダンの不思議な歌声であるがキューンのピアノの高音部分がキンキン,ピンピン飛び跳ねるようで?私的には面白いと思っている。
シーラ・ジョーダンの裏方に徹しているようで自己主張も忘れないピアノは流石である。
いずれにしろ美しいだけのピアノではない事は確かである。
盤もオリジナルで新品同様であるにも関わらず すごく安い価格であった。80年以降のジャズアルバムは演奏内容が良くても安価にしか扱われないのは不幸な事である。
逆を言えば50、60年代のアルバムが演奏内容も もちろん良い物が多いのだが駄作でも有名という事で価格が吊り上げられている状態は これまた不幸な事である。